CO2センサーの通信はどのように行うの?~教育機関編②~

IoT

今回は、前回のコラム「どのようなCO2センサーを選べばいいの?」の続きになりますが、大学などの大規模施設に効果的な‟ネットワークに繋がるCO2センサー”が、実際に「どのようにネットワークに繋がるのか?」についてお話ししていきます。

CO2センサーが対応している通信方式

‟ネットワークに繋がるCO2センサー”と一言で申しましても、それぞれのCO2センサーによって対応しているネットワークの種類、いわゆるネットワークの通信規格は様々です。ここでは少し長くなってしまいますが、それぞれの通信規格について解説していきます。

CO2センサーからゲートウェイに繋ぐ通信規格は様々!

ここで、‟ゲートウェイ”という聞きなれない言葉が出てきました。
このゲートウェイは、CO2監視システムにて、CO2センサーから受け取ったCO2濃度などの測定データを中継する為の装置です。
その後、ゲートウェイによって中継された測定データは、学内のネットワークからインターネットを通じて各社が提供しているCO2監視システムのクラウドサーバに送られます。
ただ、ゲートウェイについては詳細を話すと長くなってしまいますので、何となくのイメージだけ持ってもらえれば十分です。

それでは、本題に入っていきたいと思います。
まず、現在市場に出回っているCO2センサーが対応している通信規格としては、BLE(Bluetooth Low Energy)、Wi-Fi、LTE-M、LoRaWANなどが主だったところです。
それぞれの通信規格について簡単に解説していきたいと思います。

IoTの時代の到来と共に注目を集めるBLE!

元々のBluetooth(Bluetooth Classic)自体が消費電力の小さい通信規格ですが、さらに低消費電力を実現した通信規格がBLE(Bluetooth Low Energy)です。
マウス、キーボード、イヤホンなど実生活でもとても馴染みのある通信規格ですが、低消費電力を特長としていることから、IoTの普及と共にさらに注目を集めています。

一方で、BLEは一般的には通信距離が短く、その為に、BLEに対応したCO2センサーを使用する場合、CO2センサー1台に対してゲートウェイ1台を準備する必要があることが多くなります。
また、Bluetoothは2.4GHzの周波数帯を使用する為、同じく2.4GHz帯を使用するWi-Fiと電波が干渉したり、他のBluetooth機器とも干渉してしまうことがあります。

最も馴染みのある通信規格のWi-Fi!

Wi-Fi(無線LAN)は広く無線通信規格として認知されており、馴染みのある通信規格です。既にWi-Fi環境が備えられている場合は、ゲートウェイを新たに設置する必要もなく、CO2監視システムを構成するハードウェアとしては、CO2センサーの導入のみで済む場合もあります。

一方で、Wi-Fiの電波は障害物に弱く、壁があったりフロアが異なったりすると、電波が弱くなってゲートウェイとの通信がしづらくなることがあります。その為、CO2監視システムの導入でゲートウェイを新たに設置する場合、必要となるゲートウェイは自ずと多くなってしまうことが多いです。
また、Bluetoothと同様に2.4GHzの周波数帯を使用する場合、他のWi-Fi機器やBluetooth機器と電波が干渉してしまうこともあります。

LTEをIoT向けにした通信規格のLTE-M!

LTE-Mは、スマートフォンなどのモバイル機器専用の通信規格の1つであるLTEの回線を利用した、IoT向けの通信規格であるLPWA(Low Power Wide Area)の一つで、各電気通信事業者(キャリア)が提供しています。
BluetoothやWi-Fiと異なり、無線免許が必要な周波数帯(ライセンスバンド)を利用していることもあり、電波の干渉が起きる可能性は低くなります。
また、既存のLTEの回線を使用する為、速度も高速です。他には、スマートフォンなどでLTE回線を使っているのと同じイメージとなり、CO2センサーで取得した測定データはそのまま各キャリアの基地局に運ばれますので、LTE-Mを使用する際はゲートウェイは不要という特長もあります。

一方で、SIMの利用料が必要な為、通信料金は高くなる傾向があり、また、LoRaWAN等の他のLPWAと比較すると、消費電力が多くなりやすいことがあります。

低消費電力と長距離通信が特長のLoRaWAN!

LoRaWANはIoT向けの通信規格であるLPWAの一つで、400社超の企業が参加するLoRa Allianceにより策定された無線ネットワーク規格の名称です。
LTEやWi-Fiなどを利用した通信方式に比べて非常に省電力です。
また、電波の到達性や回折性が高く、障害物がある場所でも電波が迂回する為、通信の安定性に優れており、ゲートウェイは各校舎に1台設置するだけで十分なこともあります。
併せてLoRaWANの使用する周波数帯である920MHz帯は、Wi-FiやBluetooth等で使用されている2.4GHz帯と異なり、それらの機器と電波が干渉してしまうこともありません。

一方で、先述したLTE-Mは無線免許が必要な周波数帯(ライセンスバンド)である一方、LoRaWANは無線免許が不要な周波数帯(アンライセンスバンド、ISMバンド)である為、LTE-Mと比較すると電波の干渉が起きる可能性は出てきます。

他にも、LTE-Mと同じく各キャリアが提供しているNB-IoT、LoRaWANと同じく無線免許が不要な周波数帯(アンライセンスバンド、ISMバンド)を使用したSigfoxなどの通信規格もあります。
色々な通信規格について話しましたが、結局どの通信規格が適しているかは、お客様の環境によって様々です。その為、学内でネットワークに詳しい方や、センサーメーカーなどに気軽に相談されるのが一番だと思います。

測定できるのはCO2濃度だけで十分?

CO2の話からは逸れてしまいますが、実は世に出回っているCO2センサーの多くが、CO2濃度に併せて、温度と湿度も測定できる物が多いです。
新型コロナウイルスは、インフルエンザウイルス等のウイルス同様に、温度は18℃以上、湿度は40%以上に保つことがウイルスの生存率を低くするのに効果的と言われています。

参考として、厚生労働省からも「冬場における換気の悪い密閉空間を改善するための換気の方法(※1)」という題名でリーフレットが出されていますが、その中にも「居室の温度および相対湿度を18℃以上かつ40%以上に維持すること。」という内容の記載があり、CO2濃度以外にも温度や湿度も一定に保っていく必要があることがわかります。

このように、CO2濃度だけでなく、温度と湿度の数値も併せてチェックすることがコロナ対策には効果的です。
また、その為には、温度や湿度も測定できるCO2センサーが一般的ではあるものの、CO2濃度と共に、温度や湿度も計測できるかを確認してから選定されることをお勧めします。

給電方法も設置する環境に合わせて選びましょう!

CO2センサーを選ぶポイントとして、設置する環境に合わせた給電方法を選択するというのも重要です。
CO2センサーの給電方法は主に電池式とUSB充電式の2つがあります。
電池式の場合は設置する場所を問わない反面、1~2年ほどで電池交換をする必要があります。一方で、USB充電式は電池交換をする必要がない反面、コンセントのある場所の付近に設置する必要があります。
電池式、USB給電式それぞれでメリット、デメリットがありますので、設置する環境に合わせて、給電方法も念頭に置いてCO2センサーを選ぶ必要があります。

今回は、前回のコラムに続いて、どのようなCO2センサーを選べばいいのか?という観点で話を進めてきました。CO2センサーを選ぶポイントは幾つもあり、なかなか決め切るのが難しいかもしれません。
できるだけポイントを絞って説明してきたつもりではありますが、ある程度の知識や経験がないと不安なところもあると思いますので、遠慮なく当社やセンサーメーカーなどの専門家にご相談ください。


※1.厚生労働省 作成
「冬場における換気の悪い密閉空間を改善するための換気の方法」

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